女子大生が大仏次郎という固有名詞を語っているだけで胸熱
30年前に非売品として少部数製作された
Album Jiro Osaragi
って写真集を持っている程度()には
筋金入りの大仏次郎ファンの私が
大仏次郎記念館のホームページを久々に見に行ったら、大仏次郎の生き方(大仏スピリット)に感動した女子大生4人が企画する社会課題解決インターンシップ。ってもーキラキラ☆語彙が舞い踊るコンテンツが目に入ってビビったので数分前の心の安寧をおじさんに返してください。
— unpocketable (@unpocketable) 2014, 2月 9
大仏次郎ファンとしてはありがたい企画だと思うわけですけど「大佛次郎記念館の活性化による若者の地域参画プロジェクト」ってそんな日本語、大仏次郎なら絶対使わない件 / “ヨコハマ ハコ入りムスメ プロジェクト |大佛次郎記念館の活性化…” http://t.co/fPj1oYKX1k
— unpocketable (@unpocketable) 2014, 2月 9
「若者の地域参画による大佛次郎記念館の活性化プロジェクト」と素直に言えばいいところを「大佛次郎記念館の活性化による若者の地域参画プロジェクト」ってねじ曲げちゃった発想が、ハコモノの典型であって、そこを越えないとせっかくの良い企画(=大仏次郎ファンにとって)が泣くよー
— unpocketable (@unpocketable) 2014, 2月 9
ってツイートしたのは事実ですけど
感謝の念を抱いているのは本当です。
ま、とはいうものの
続きを読む追悼フィリップ・シーモア・小デブ・ホフマン■ヤったかヤらなかったか。が問題なのではない「ダウト-あるカトリック学校で-」
我が最愛の小デブ(といっても身長177cmらしいんですが)
フィリップ・シーモア・ホフマンの訃報に接し、
かつて某SNSに書いていた日記を
謹んで捧げるです。
(オフィシャルサイトから適当に抜粋したあらすじ)
時代が転換点を迎えつつあった1964年のアメリカ。
カトリック学校の厳格な校長(メリル)は、
進歩的で生徒にも人気がある神父(フィリップ)が
学校唯一の黒人男子生徒と“不適切な関係”にあるのでは、
という“疑惑”を抱いていた。
純真な新人教師(エイミー)の目撃談によって芽生えた小さな“疑惑”が
彼女の心を支配し、彼への敵意と変貌する。
果たしてすべては彼女の妄想なのか?
それとも彼が虚偽の証言を行っているのか?
メリル・ストリープvsフィリップ・シーモア・ホフマン。
とばかり喧伝されているので
てっきりそういう作品かと思ったのですが
実際には我が愛する小さいデブ、
フィリップ・シーモア・ホフマンは
あのね、この子はやればこれぐらいは簡単にできる子なの。
いまさら騒がないでほしいわこのぐらいで。
という程度の「名演」、もちろんメリルも力量どおりの「名演」。
誰がゲスパー星人やねん■某版元公式ツイッター閉鎖の知らせに接してお漏らし
あのですね。
去る1月27日
このたび、公式ツイッター(筑摩書房 @chikumashobo/ちくま文庫 @chikumabunko1/ちくま新書 @ChikumaShinsho/ちくまプリマー新書 @chikumaprimer)を閉鎖しました。弊社および弊社出版物に関する情報については、引き続きこちらの筑摩書房ホームページをご覧ください。
-筑摩書房からのお知らせ / INFORMATION&TOPICS
こういうお知らせが出ましたでしょ。
・何があった?
・出版社公式アカウントの意義見直し?
と世間ではおだやかに?が飛ぶなか
もっぱら私ひとりだけ
これで不興を買ったんだろ説を唱えていて
市議会でアツく語られる物故作家■木山捷平
木山捷平短編小説賞(第9回)が決まった、というニュースが届いたので
(=Googleアラートで「木山捷平」登録してる奴)
賞主催者、笠岡市ホームページを見にいったんですが
笠岡市の木山捷平文学選奨事業(詩、短歌、俳句、川柳)「小・中学生」の部っていつできたん。と調べてたら、H21年度か。事後評価シートなるものが市ホームページで公開されているんですが「高校生からの応募が1名あった」(H23年度)とか、しみじみキャーン・チエホフスキーっぽい。善哉
— unpocketable (@unpocketable) 2014, 1月 26
木山捷平文学賞が木山捷平文学選奨条例の制定を経て、今日の木山捷平短編小説賞に至るまでの経緯はなんとなく理解していたつもりでしたが、市議会の議事録を眺めてたら、文学賞制定時に遺族ともめたとか森田思軒のことも忘れないで。ってセットで語られてることとか、興味深い/知らない話がいっぱい
— unpocketable (@unpocketable) 2014, 1月 26
いかん木山捷平文学賞に関する笠岡市議会会議録がおもしろすぐる「受賞者に笠岡を題材にした文学作品,またはせめて笠岡の感想コメントでもという御質問でございますが,受賞者は一流の作家ばかりで,なかなか難しい面もあるのではなかろうかと思っておりますが,トライしてみたいと考えております」
— unpocketable (@unpocketable) 2014, 1月 26
「一遍ある事情で、私が木山捷平の生涯というて、栗谷川虹さんが実は本を出しております。これは非常に人気のいい本でございます、あれ実は私が橋渡ししましたときに、木山みさをさんから大目玉食らったんです」(笠岡市平成8年第1回3月定例会)
— unpocketable (@unpocketable) 2014, 1月 26
たっぷり2時間強、熱中してしまいました笠岡市議会会議録。
以下、全国100人のファン(同志よ!)にお贈りする
笠岡市議会という公的な場所で
とくにファンというわけではない(と思われる)ひとたちに
町おこし素材のひとつとして語られる、
ぼくたちの好きなマイナー・ポエト、
木山捷平ものがたり。
……言っとくけど、長いです。
続きを読む本屋大賞が芥川賞直木賞に比肩すべき賞になった日
本屋大賞、藤谷の「世界でいちばん美しい」(小学館)は相手にされませんでした。あれだけやっても駄目、ということがまだよく判らないでいます。そもそも僕が駄目な小説家なのかもしれないけど、それ以上に、世間から相手にされないことが身にしみます。ただ「読者」はいてくれて、それで(続く)
— 藤谷治 (@yuntachura) 2014, 1月 21
(続き)持ちこたえているようなものです。しかし今の世の中、「読者」は激減しております。読者を超えた「世間」を相手にしなければなりませんが、「世間」はどんどん「評判だから読む」という流れに棹さしています。そして「評判」とは小説の場合、殆どが「受賞」と同義です。(続く)
— 藤谷治 (@yuntachura) 2014, 1月 21
(続き)こんな泣き言を呟いて、きっとあとで悔やむと思うけれど、今はこういうことを呟かずにはいられません。しょうがないから死ぬまで自転車操業でいきます。失礼しました。いいたいことは以上です。これ呟いたこと直ちに忘れて仕事しますので、読んだ方もどうか無視してください。
— 藤谷治 (@yuntachura) January 21, 2014
言っておきますけど
これらのツイートを受けた私の感想は
逆に「船に乗れ!」みたいな大部の作品がノミネートに残ったことを、もっと誇っていいと思いました / “Twitter / yuntachura: 本屋大賞、藤谷の「世界でいちばん美しい」(小学館)は相手にさ ...” http://t.co/67wrfDpvCb
— unpocketable (@unpocketable) 2014, 1月 21
ですからね。
あと、念のために書いておくと
作家が満を持して世に送り出した最新作こそ未読ですが
(……ぶ、文庫派だから)
「おがたQ、という女」
「いなかのせんきょ」
「恋するたなだ君」
「またたび峠」
「マリッジ・インポッシブル」
は読んでるんで
つまり、愛読者を名乗る資格はないにせよ
このエントリの主旨が揶揄にないことは
あらかじめ申し上げておきたい。
(誤)キュアロンはワシが育てた(正)14年前、5行のプロフィール書くのに苦労した思い出
ぼーっとゴールデングローブの実況TLを見ていたら
Alfonso Cuaron is the one guy in Hollywood who didn't actually mean herpes. #GoldenGlobes
— NewYorkObserver (@NewYorkObserver) 2014, 1月 13
Affleck presents Directing Globe to the brilliant Alfonso Cuaron for Gravity. Somehow herpes and earpiece have combined in the heavens !
— Peter Travers (@petertravers) 2014, 1月 13
「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロンが
監督賞を受賞したらしい・けど
なんの騒ぎ?
と怪訝な顔をしていたんですが
私のTLには正解もやって来るので
訛りの強い監督がサンドラブロックに今イヤピースあげるからねっていったのをサンドラは今ヘルペスうつすからねって聞き間違えたという衝撃のエピソードww
— 大原ケイ (@Lingualina) 2014, 1月 13
なーるほど。
Because of my thick accent, they end up doing what they thought I said, not what I really said. I'm sure some of the members of the Hollywood Foreign Press will sympathize with this. Sandra, you are the most amazing collaborator, I want to thank you for not quitting when you thought that I have told you, 'Sandra, I'm going to give you herpes,' when I really meant to say, 'Sandra, I'm going to give you an earpiece.'
おいらみたいに訛ってる奴は
「何を言ったか」ではなく「何を言ってると思われたか」
で判断されるのでツライんすけど
サンドラ・ブロックこそがこの映画を作り上げることができた
最大の功労者でさー。
という文脈だったのね。
しかし私がじまんしたいのは(=この正直者を見よ)
以下のプロフィールを2000年に書いていたことでして。
いわく
俺的「どーなる出版界・2014」
出版の明日は!
みたいな話が好きな人、って一定数いるものですが
かくいう私も大好きで大好きでもー。
今年は書店の店頭で「本屋さんの本」が目立った一年でした。いま私の手元にあるだけでも、以下の本をあげることができます
紙書籍で少部数初版のみという本が、デジタル・オンリーへと移行していくのは間違いないだろうなと。デジタルファーストで、そこそこ反響があれば紙も出す、という方向性が、今年は加速していくように思います。また、デジタル・オンリーでそこそこ稼げる作家も複数でてくることでしょう。そんな中で、ボクも一端を担えるようにします。というか、そういう一年にします。
13年は大きな事件は起きなかったにしても、出版業界は正念場を迎え、14年はあからさまな解体の時期として顕在化してくるであろう。
というようなエントリを読むのは好きなんです・けど
自分で予測する気はないんだよねー、
って横向いてるのは
べ、べつにしゃべったらアホがバレる。
って自意識過剰になってるせいぢゃないんだからっ
わ、わたしの仕事が
出版正規軍とは違うスタンスだから……
だからなんだからねっ
という話はいったんおきまして
USでも「出版界を予測する」ネタは当然のようにあります。
なかでもSmashwordsって
個人作家のためのプラットフォームを2008年から構築している
老舗サイトの公式ブログが
俄然注目を(わたしのなかで)集めるきっかけになったのが
こちらのエントリ。
風の谷のミノネズミと漱石「夢十夜」
ナウシカがテレビで放映されるたび、
無駄に思い出す自分に
そしてもうすぐ漱石「夢十夜」トリビュートシーン@ナウシカ。
— unpocketable (@unpocketable) 2012, 5月 11
さすがに嫌気がさしてきましたですじゃ。
その思いこみを供養するためのエントリーですじゃ。
で、貼れそうな画像はないんか。
と探すなかで(いや、なかったんですけどね)
ミノネズミって名前と
ヘビケラの、ほほー、あいつの幼生。
へー。
などということを、いまさら知った私ですが
ほら、腐海に迷い込んだアスベルが襲われるシーンに出て来る、
大群のアレ。アレがね、
漱石「夢十夜」の第十夜のシーンにインスパイアされてるよね。
ってかれこれ30年弱ずっと言ってるんですよ私。
ぶ、BOOKOFFヲチブログじゃないんだからねッ!
先日
ちなみにトーハン年間ベスト上位15冊の平均単価は1,315円で、さらにちなみに「ブックオフオンラインでの売上データを元に独自集計」した15タイトル(除く中古在庫ナシな「もしドラ」とコンマリ先生)の平均単価は……ドラムロール……320円。ただのユーザーですが、なんだか申し訳ない
— unpocketable (@unpocketable) 2013, 12月 5
って書いた件
まあ結論というか私個人の興味の関心は
上記に尽きているんですが
調べた数字を消す前にブログにアゲちゃうわよ。
ひみつなんとか法案が可決された日に聴くジョン・レノン(予定稿)
私が産まれたのは
ビートルズが既に名ばかりビートルズになっていた頃で
っていうのはつまり
彼らが解散する前に産まれていた世代ではあるオッサンなわけで
そういう年代の人間にとって馴染みある音源は
アナログ盤なんですよね
(当然リマスターなんかじゃないやつな!)
文字通り、円盤が擦り切れるぐらいに聴き倒していたものだから
CDを手にするにしても
アナログ盤で発売の無かったカタログになってしまい
つい先日、ようやくiTunesライブラリに213曲を入れたんですが
ふと気が付けばこの間のインターバル、30年。
というのは過大修辞かもしれませんが
たとえばジョージ・マーティン・オーケストラを聴くのは
確実に25年ぶりぐらいのことではありました。
ええ、何の話をしようとしているのかというと
久しぶりに「Savoy Truffle」聴いたけど
やっぱりいいよねえ、とか
「I Will」のボーカルベース
こんなクリアな音で聴くのは初めてだな、とか
とくに「For Sale」
アナログ盤で俺のカラダに刷り込まれた音感と
ぜんぜん違うやんけ責任者出てこい、とか
そういう話ではなく ←お約束
「本を買うひとより借りてすませる人のほうが増えた昨今」という物言いの正確性を検証したい
図書館の電子書籍貸し出し 読める本は少ないが……出版社、協力の動きも
というITmediaの記事を読んでいて
本題とは関係のない
(日本図書館)協会のガイドライン策定に携わる湯浅俊彦・立命館大教授は「出版業界が以前、ベストセラー本を複数購入する公共図書館を『無料貸本屋』と批判した経緯が背景にある。図書館の貸し出しが書店で売られる本を上回る状況で、出版社は販売への影響を考慮して図書館への協力に消極的にならざるを得なかった」と指摘する
という一節がちょっと気になったので調べた覚書です。
図書館の貸し出しが書店で売られる本を上回る状況については、
たとえば
「出版状況クロニクル62」の
表のように
説得力ある数字が既定のものとして語られがち。
なのですが
某市立図書館某社運営スタンスが浮き彫りにしちゃいそうな「本って買って読むものなの?」という問いについて
私には、BOOKOFF並みに
ウォッチするだけでも本を読んでるのと同じぐらい面白い
某市立図書館×某社コラボ案件
なので、上記ブログエントリを拝見して
コーフンしちゃった(うふ)のも
当然ではありますが、ちょっと落ち着くために
まず、私の認識を整理する時間をください。
某市立図書館の問題は複数あって
代表的なのが以下の3点。
1.指定管理者の決定プロセスに納得感が無い
2.そもそも某市行政トップの御方には
public servantの意識が欠落している
3.犬が犬好きな人かどうかを瞬時に見分ける嗅覚を持つのと同じで
本が好きな俺たちの目はごまかせない
指定管理者某社、おまえ別に
本が好きなわけじゃないだろ感
と箇条書きにしているだけでも
心が若干あらぶる次第ですので
某市を批判したい気分と
某市立図書館の指定管理業者たる某企業を批判したい気分
このふたつを混ぜると、話はややこしくなります。
某私企業の話に的を絞って考えたい。
BOOKOFF「2014年3月期 第2四半期決算説明会資料」 がアツい件
ぶくおふ第2四半期決算説明会資料に"創業より「定価の半額...105円」の大きく2つの価格帯で販売。点数ベースでは大半が「105円」で回転しているが、2つの価格帯の中間に適正価格が存在すると仮定"云々載ってて、商品の適正価格を調べる姿勢って業界初よ? と感嘆するカンタンな(ry
— unpocketable (@unpocketable) 2013, 11月 17
ブックオフの「適正価格を調べる実証実験」詳細は書かれてませんが、直営6店舗で定価の半額or105円の2択ロジックを変更して、前者を「半額より下げた値」で販売してみた。そしたら、売上額も売上点数もそっちの昨対比が増えた、と http://t.co/i0IelQopWk
— unpocketable (@unpocketable) 2013, 11月 17
再販制に守られて生き長らえてきた・つもりの出版業界ですが「製造元希望販売額」とプア充な俺たちの認める「適正価格」に差異が生じていて、それが「出版不況」の正体なんすよ、だから値付けロジックを変えない限り無理っす無理無理。という俺の持論を分かってくれてるのはぶくおふさんだけやで←
— unpocketable (@unpocketable) 2013, 11月 17
って連投した通りなのですけど
つまりコレ↓
いやー、繰り返しになりますけど
「適正価格を実験して調べてみるてすつ」
って出版業界広しといえど
初の試み・ですよこれ。
はー、感動した。
なお、前提にある彼らの危機感は
以下のスライドで表されています
これ見て思ったのは、
続きを読む「仕掛けることで売れる」現象についての雑な感想
たとえば
どこそこの本屋さんがPOPを付けたら火が付いて。
とか
その話を聞いた出版社が重版帯にPOPを引用したら
全国的に燃え上がり。
とか
わりと「イイ話」として取り上げられがちで
むろん、明るい話題だし
自分も好きな作家がその対象だったりすると
GJ!
と思うわけですが
ふと気付くと
新古書店にその手の作品が大量に入荷してたりするので
世の中ゆだんたいてきだなあ。と思いますね。
(例1)
「るり姉」大量入荷@新古書店の兆しに↓。初、2、3、16刷を確認したので(全部同じ刷だったらどうしようかと思ったmjd)一回購入された後で売られてきたっぽいところだけが唯一の救いですけど、ああいう光景を見ると「売れてます」ということばを盲目的に喜んでいられた時代もああったねえとお
— unpocketable (@unpocketable) July 28, 2013
(例2)
もっといいますとね、「模倣の殺意」が棚1(ストッカーにはあるんか知らんけど)残して新古書店の店頭からも消えつつあるんです。新刊書店だったらああ返品か、って悲しくなればいいんですけど、新古書店でも行き場を失った在庫の悲しみを表現することばをぼくは持たないす。
— unpocketable (@unpocketable) July 28, 2013
なお、この件について個人的な結論は出ていて
「ほんとうに届けるべき人の数」を、コンテンツプロバイダーたる出版社はそう過たず把握できていた・時代は確かに過去にはあった・と思う・んですけど、ルーティーンで回していくはずの、文庫の部決っていうレベルにおいてさえ、需要予測の眼力が曇っている。というね。
— unpocketable (@unpocketable) July 28, 2013
つまり 続きを読む
ホッテントリ後に何を書けばいいのか問題を初心者が考えてもムダだった件
「この時代小説がすごい! 文庫書き下ろし版」に寄稿している友人と
さいきん何か面白い本、読んだ? って話をしていたとき
(時代小説縛り)
私「都筑道夫の『女泣川ものがたり(全) (光文社時代小説文庫)』よかったです」
友「ああ、もうあの手の作品を書ける人いないかもね」
私「時代モノの基礎教養の問題って意味で?」
友「あと、それをひけらかさないストイシズムとか」
そういえば言及するのを忘れてた。
なにしろ3ヵ月前に読んだ本だから。
といま思い出したのが
高城高の「函館水上警察」シリーズ2冊目、
「冬に散る華」という連作集です。
- 作者: 高城高
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2013/04/20
- メディア: 文庫
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何に驚いたかって
・一定数の読者が存在する、警察ジャンルで
・明治維新直後の函館を舞台にする、ユニークな設定
・サーベルの腕前に秀でた留学経験者、というキャラの立った主人公
続けて書いていけば
作者の看板になる要素をふんだんに持っている、
そんな作品を
あっさりこの2巻目で終わらせてしまっていたこと。
……もったいなくね?
シリーズものといえば最低でも5冊ぐらいは続刊あり、
が昨今の常識だろ。とハナから決めてかかって
収録されている5編の5番目の話を読み進めていた私が
話のなりゆきに
「え? え?」
と、ずいぶんピュアなリアクションをしてしまったのは
もちろん「昨今のシリーズもの」に毒されているから
ではあるのでしょう。
あるのでしょう・けれど
そもそも作家をして人気シリーズを続けさせる最大の要因が
「商業的な要請」だとしても
「読者がそれを望んでいるから」思わず応えてしまう、
というサービス精神の発露も
決して馬鹿にならない要因だと思うので
その意味で、高城高(78)という作家の
ハードボイルド精神を俺は甘く見積もりすぎていた。
完敗だ。
……と、読了後にエラく打ちひしがれた記憶が
強く残っているのでした。
って何の話かというと
たまたま書いたブログエントリが
たまたま注目を集めた場合
ひとはどういう行動に出るのか。
俺サンプルで心の動きを追ってみたけど
結論からいえば
「その数日間の話を書く」のがいちばん自然だと思った
ので書いてみるよ。
って話でござる ←ここまで前置き ←長いわ!