読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

編集者が編集するのは本だけじゃない! ○○もだ!

ウェブも電子書籍もDVDもCDも編集しちゃうよでもいちばん仕事多いのはけっきょく紙

女子大生が大仏次郎という固有名詞を語っているだけで胸熱

30年前に非売品として少部数製作された Album Jiro Osaragi って写真集を持っている程度()には 筋金入りの大仏次郎ファンの私が大仏次郎記念館のホームページを久々に見に行ったら、大仏次郎の生き方(大仏スピリット)に感動した女子大生4人が企画する社会課…

市議会でアツく語られる物故作家■木山捷平

木山捷平短編小説賞(第9回)が決まった、というニュースが届いたので (=Googleアラートで「木山捷平」登録してる奴) 賞主催者、笠岡市ホームページを見にいったんですが笠岡市の木山捷平文学選奨事業(詩、短歌、俳句、川柳)「小・中学生」の部っていつでき…

風の谷のミノネズミと漱石「夢十夜」

ナウシカがテレビで放映されるたび、 無駄に思い出す自分にそしてもうすぐ漱石「夢十夜」トリビュートシーン@ナウシカ。— unpocketable (@unpocketable) 2012, 5月 11 さすがに嫌気がさしてきましたですじゃ。 その思いこみを供養するためのエントリーです…

ホッテントリ後に何を書けばいいのか問題を初心者が考えてもムダだった件

「この時代小説がすごい! 文庫書き下ろし版」に寄稿している友人と さいきん何か面白い本、読んだ? って話をしていたとき (時代小説縛り) 私「都筑道夫の『女泣川ものがたり(全) (光文社時代小説文庫)』よかったです」 友「ああ、もうあの手の作品を書け…

レイナ・テルゲマイヤー作「9歳のアメリカ人少女がはじめて『はだしのゲン』を読んだとき」

「はだしのゲン」が各国語版に訳されていることは知っていても 実際にどういう読まれ方をしているか、は このグラフィック・アーチストのサイトを見るまで イメージがわきませんでした。2009年の、「Beginnings」と題された作品は 彼女が9歳だったころ、 父…

エンタメ・ノンフという語感に覚える違和感の正体を追求したい(DPZ風に

いまさら。ではあるんですけど ノンフィクション苦境 経費かかるが売れず - 山田優 - 本のニュース | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト という記事を眺めていたら そんな状況を打破しようと、ジャンルや媒体を超えた模索が続く。 ノンフィクション作…

(ネタバレ無し)宮部みゆき「ステップファザー・ステップ」原作続編レビュー(愛読者バージョン)

某「おい、こいつ息をしてないぞ」なSNSの 宮部せんせコミュを久しぶりに覗いたら ちらっと話題にあがっていたので 初期の名作「ステップファザー・ステップ」に 続編が存在して かつ、せんせ自身が本にまとめることはしないと言っている ということまでは知…

本屋大賞ヲチヤーとしては最新2013年についても何か言うべきだろ(震え声)

自分の中で、言うべき「何か」が 熟成されるのを待っていたけど 特記事項ナシという感じでした、 というエントリでございますんで そこのところを斟酌いただきまして どうかひとつ。なにしろ、です。「炎さんがお怒りです」という光景も (実は)風物詩になり…

北上次郎「活字競馬」雑感

活字競馬 馬に関する本 究極のブックガイド (競馬王新書)作者: 北上次郎出版社/メーカー: 白夜書房発売日: 2013/03/01メディア: 新書 クリック: 54回この商品を含むブログ (4件) を見る■発売を知って盛り上がる俺ツイート 北上次郎と藤代三郎の共著にすりゃ…

400年前の南有馬町乙。で起きたのはほんとうに「昔の話」か■飯嶋和一「出星前夜」

出星前夜 (小学館文庫)作者: 飯嶋和一出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/02/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る 飯嶋和一「出星前夜」が 大仏次郎賞を受賞、という報に驚いたのは そうか、もう4年も前のことですか。驚きの内訳は、そりゃ…

女子による女子のためのサイトを覗くのがたのしくないおっさんがいようか

It Happened To Me: Lady Gaga Tweeted My Poetry Video About Eating Disorders (摂食障害をテーマにした私の朗読動画がレディー・ガガに紹介されてなんかエラいことに) っていう記事を昨年末 目にしたときにも思ったのですがオンラインメディアの「xoJane…

たった3行でエエ話がナンヤソレに変わる、魔法のようなブックレビュー

読了後すぐ 「ベスト10の中に一冊でも気になる本があったら、正月休みにぜひお読みいただきたい。小説はまだまだ力を持っている」 webdoku.jp/column/meguro_… という北上次郎のことばを信じて読んだ1冊がなるほど納得のフィクションで満足したんで、ぼくの…

キャーン・チエホフスキー氏6年ぶりの復活

「姓名は?」と女下士官が訊ねた。 「木山捷平」 すると、女士官のそばに控えていた男の兵士が、キャーン・チエホフスキー、と大きな声で叫んで、私の名前を召集台帳に記入した。むろんロシヤ文字でである。ずいぶん桁はずれな誤訳のように思われたが、私は…

山口瞳の根本思想の芯の芯なるものに共感せざるをえない

数日前 とある流行作家が とあるツイートをしていたのですが それが・自分の意見はこうだ ・それに与しないひとがいる模様 ・その発想がしかし、 どこから来たものだかテンでわからんという組み立てで ふーん。 と思ったんですね。自分と合わない意見の主を …

文庫化待つってひとも単行本買ってほしいんだけど■という声に過剰に反応する事案が発生

わーおもしろーい。 痛いところを衝かれた人間の典型だねー。 うふふー。と笑っていただける範疇を 超えてるんじゃねーのか俺。 と思ったのは 新刊書店に勤めるひとであれば 何の不思議もない発想な 「文庫でなく単行本で買ってほしいんだけど」 というだけ…

トーハン「2012年 年間ベストセラー」文庫ランクの集計が恣意的で弱った件

年末恒例風物詩であるところの ■トーハン「2012年 年間ベストセラー」(集計期間=2011年12月~2012年11月) が発表されまして 総合1位は「聞く力」(阿川佐和子著)、 文庫総合1位は「ビブリア古書堂の事件手帖」(三上延著)の3点。 ってシレッと書かれていたので 危うく…

本の帯■いわゆる「北上次郎的な惹句」問題

いわゆる、と言いつつ 世の中で私だけが問題にしている感が ぬぐえませんが まず「北上次郎的」とは何なのか。 実例を見ていただくのが近道かと。 ゴミにしか見えない件(北上次郎ブランド帯を探してるん) twitter.com/unpocketable/s…— unpocketableさん (@u…

いかなる場所でも開くことのできる、ある種の表紙によって保護され、背と称する一端で固められた、多数の紙葉に書かれ(印刷され)たもの

都内で先日 「いかなる場所でも開くことのできる、 ある種の表紙によって保護され、 背と称する一端で固められた、 多数の紙葉に書かれ (印刷され)たものフェア」 というミニコーナーを (カレンダーの裏で) こっそり展開している書店を 目にしました。200…

原作に心酔していた作品の映像化、で思い出すこと

小説の映像化って とくに和モノの場合 基礎となる演技が痒いので いっそ実写でないほうがいいです派なんですが それは必ずしも演者だけが 責任を負うべきものでもなく なんでああもセリフまわしが 「芝居がかっちゃうかねえ」とかさ。 映像化されることで 原…

図書館戦争って図書館で本を借りるなんて許せん派と複本の自由を我々は守り抜く派が戦争するっていう話ですよね? 真ん中で児玉清がジャッジするんですよね?(=図書館ネタを考えてたら混線した

図書館で本を借りること。 っていう命題は 時間を消費させるという意味で とくに出版界に生存する人間には 考え甲斐があるものですがちょうど 実写キャスティングが発表になったとかで 「図書館戦争」の字面を目にしたり 愛読している WEB本の雑誌 帰ってき…

本屋大賞連ドラ化決定(全12話)!■の文字で妄想する物語(第9話~第12話)

連ドラ本屋大賞■第9話「そしてみんなタイヘンだった」

本屋大賞連ドラ化決定(全12話)!■の文字で妄想する物語(第5話~第8話)

連ドラ本屋大賞■第5話「名古屋最強伝説」

本屋大賞連ドラ化決定(全12話)!■の文字で妄想する物語(第1話~第4話)

本屋大賞が ついに10回という節目を迎えるのを 記念いたしましてWEB本の雑誌の 名物連載「帰ってきた炎の営業日誌」を 並べて遊んでみたん。ここ数年 ・受賞作品は必ず売れる ・映像化もされて話題になる 云々 まさかの“権威”っぽい感じになって 初期からの…

20年目に黄金を抱いて翔べ

高村薫原作の映像化って 宮部みゆきのそれと同様 あまり幸せな結果をもたらしていないと思うのですが (宮部せんせについてはついにその歴史が ビョン・ヨンジュ版「火車」で終止符を打った ……ってことに 作品未見のまま結論してみた私ですが)そこで井筒和…

there are two Ohimas in Japan (大島弓子と大島真寿美について誰も書いてないのはいかがなものか)

Yumiko Oshima, Masumi Oshima.Ladies have the same family name, no blood connections.Yumiko, who has been one of the prominent figure in Japan manga scene since 1970s, is like a Julian Moore meets Jodie Foster. Fame and fortune don't stop h…

我が家の小学4年生のお友だちで第一人称が「ぼく」な女子、Yちゃんのお話

はるかぜちゃんこと春名風花(敬称略)が 朝日新聞の需めに応じて書いた いじめヨクナイ文章を 各地の小学校の先生が転載して (たぶん「道徳」の)授業に使っている、と。その際、原文第一人称が「ぼく」なのは 教育的見地に照らしヨロシクナイと 思われるか…

東京ステーションホテルのリニューアルオープンをお祝いする気はある

内田百間読者歴30年なので ひゃッ先生と縁浅からぬステホテの復活は そこそこ感慨深い出来事なのですが ホテルの公式サイトに 「語り継がれるホテル-東京ステーションホテルの歴史-」 てな、あら、ずいぶん上から来たわね。 というノリのテキストを発見し…

ローリングストーン誌が「シド・バレッ度」なる尺度を提示していたのでその日本作家版を考えましたよ

ピンク・フロイドというバンドの名前はご存じですか。 その創立メンバーのひとりに シド・バレットという伝説のミュージシャンがいまして 溢れる才能と引き換えに、ロック界最長といわれる隠遁生活を 40年ほど(……)送った末 去る2006年、60歳でこの世を去りま…

日本語を英訳してシャレオツ計画。のハードルは高く険しい。または「ブラック・ジャック」の英訳はかっこいいっす

新刊出ると必ず読んじゃう作家の未読短編集を買ったら 作品のクオリティーとは別のところが気になりました。 収められている短編それぞれの作品タイトルが 装丁的な意味合いで(=深い意図は感じられない、の意) 英訳されていたのですが、その訳出が…… ひと…

「これ以上、おもしろい小説があったら教えてください」?

書店店頭で見かけた 某書籍の帯に発見したことば 「これ以上、おもしろい小説があったら教えてください」ムシのいどころのせいか、猛烈に引っかかったので しばらく帯をにらみつけてしまいました。 挙句、日記にも書いちゃう。 ・洒落でんがな。笑って見逃し…

「こんな××見たことない」的なフレーズにもにょる日々

自分のツイートなんで遠慮なく引用しますが 今年の2月某日、某紙朝刊全5段広告を見て それまでなんとなく控えていた感想が噴出しちゃった(イヤン ときの模様がこちら。 「ジェノサイド」をしのぐ「グレイヴディッガー」。って宣伝文句としてのモラルを逸脱して…

鞍馬天狗全作品レビュー完了の記 付・作品年表

夏休みの自由研究に 鞍馬天狗の全47作にレビューつけていこうず。 と思い立った時点で未読作品がけっこうあったので ゴールまでの道は小学生の自由研究並みには険しいものでした。 終って覚える解放感は これでようやく鞍馬天狗以外の本が読める というはな…

フリーランスとして生きる@幕末

1943年に週刊朝日で連載された「天狗倒し」 および 1945年6月〜10月に東奥日報、佐賀新聞ほか地方紙で連載された 「鞍馬天狗敗れず」 という2作品は 生麦事件(1862年8月)直後からのおよそ半年間の横浜を フリーランスのジャーナリストを追うことで 浮き彫り…

鞍馬天狗の年表作成が楽しすぎて困る件

読者歴30数年という、 自分史上最長・最古の愛を 鞍馬天狗というおじさんに抱いている私ですが ここ数週間で、急激に愛が加速してるんです。 理由は……とくにないね(キリッ

小説の果たす役割を思う。奥田英朗「沈黙の町で」

新聞の朝刊連載、という形態で400数日にわたって続いた 奥田英朗の小説「沈黙の町で」。 あと2回で完結する、というタイミングで こうしてなんか書こうとするのは とりあえず最速レビューの座を手に入れようという魂胆がバレバレ ……ですけど……ですけどっ、こ…

不肖の弟子による壮大な復讐劇

山本夏彦のコラムを拾い読みしていたら ずいぶん中村武志の肩を持つねー、という1篇が 目に留まりました。その次の日ぐらいに、Q&Aサイトで 「内田百間の文庫は旺文社版と福武版のどちらが手に入れやすいですか」 的な質問が上がっていて お、セレンディピテ…

奥田英朗の「無理」はそこまで無理でもなかった

「邪魔」と「最悪」 相変わらず、どっちがどっちだったか 思い出す気もなく書き始めていますが 奥田英朗といえばその2作品! を挙げたい気分が常にある読者でごんす。 文庫化最新作「無理」も上述2作品同様 いわゆるグランドホテル形式、 複数主人公がそれ…

時代小説としての「B型平次捕物帖」

フィクションを摂取する行為って、 「非日常世界に自ら飛び込むこと」ですよね。つまり、慣れてないひとは入口でつまづくし 慣れてるひとは敷居を飛び越していることを忘れる。オペラとか歌舞伎とか、わかりやすすぎるほどわかりやすい 「とっつきにくい」ジ…

いしいひさいちムックの読後感がなんともいえない

河出書房新社の「文藝別冊」シリーズに いしいひさいちが登場、というので 絶対アタリだろこれ。と安心して発売日を待っていたら 前日から購入を報告するひとびとのツイートが。 思わず 文藝別冊いしいひさいち、一応明日が発売日ってことになってるんだから…

結城昌治の既読タイトルが30冊になった模様です。

エントリ名が伝聞チックなのは 1冊ずつの記憶があいまいだから。いや、自分の物語記憶力が衰えていることを否定するつもりはさらさらありませんが わりと同工異曲なお話の多いひとでも 1冊ずつの区別がつけやすい作家と そうでない作家がいるんですよ。(結…

本屋大賞に上手にケチをつけたやつが優勝? なのかおい

乙川優三郎の とある作品を読んでいて、思ったことが 最近、頭から離れませんで。つまり、先生 相変わらず すばらしい作品ですねえ、 最初の読者として 私たいへん感服しました。 けど、あれ? えへ (自分史上最高の笑顔で可愛いらしく) 藤沢周平っぽすぎな…

140字におさまらなかったRT @ToshioOkada 読んでない本は資産ではなく、負債なんだ

Twitter上のとあるつぶやきを 発言者である岡田斗司夫本人が ブログ(ゼネラル・プロダクツ)エントリにまとめていますが その感想−というよりは、 本当は私もtwitter上でさっくりRTしたかった。 というところから、話は始まるんです。 「本を買う」のは円とい…

宮部みゆき「孤宿の人」文庫化まで4年以上待った甲斐あってたいへん傑作な件。

宮部みゆきの時代小説を語るとき 読者の私の頭に常にあるのは たとえば人情という概念を小説にしようとするとき 現代日本が背景だとそらぞらしくなってしまう。 人情が最早フィクションの中のものになってしまったから ……という主旨の、作家自身の述懐です。…

「知っている」と「知らない」の差

今野敏「安積班」シリーズを なにかの義務のように、4日で10冊読んで思ったことは・そういうふうに読むもんじゃない ・テレビ版見たこと無いけど佐々木蔵之介はナイスキャスティング ・その他のキャスティングについてはノーコメント ・でも須田=塚地は悪く…

怖いよー永井するみ「欲しい」

日曜18:30に「サザエさん」。という習慣を失って久しい私は 日曜デイタイムはTVで競馬ウォッチ。という習慣も 徐々にではありますが、薄れつつあって だから、その日U局の競馬中継を見ていたのも そして裏番組のザッピングをしていたのも 悪夢のような偶然が…

文庫背表紙2題プラス1

1冊の本の装丁を“外周”限定で考えると 構成要素は「表1」「表4」「背表紙」になりまして・表1は自由です自由。デザイナーの腕のふるいどころ ・表4は文庫全巻で統一ですから考えなくていいです ・背の色は複数刊行が実現した時点で作者単位で決めますねとい…

それは読者の仕事じゃないよ。

Googleブックプロジェクト賛成を表明している 数少ない作家、佐々木譲。まもなく公開される映画「笑う警官」etc.の “警察小説”によって読者になった私からすると キャリア30年の大ベテラン作家 (日本冒険小説協会「大賞受賞」なんと3度!) ということがそ…

遅ればせながらポット出版の2冊を読了

出版コンテンツ研究会「デジタルコンテンツをめぐる現状報告」 永江朗「本の現場」 いずれも 私のように出版とウェブと、その両方の端っこに 腰をおろしている人間にとっては 「現状報告」あるいは「現場」というべきもので ことさら耳に新しいことが書かれ…

高遠ブックフェスティバルに行かなかった記

ブックフェスティバル。 ということばの響きだけで思わず浮き足立つのは 本好きな同類の皆様と まったく同じだろうと思うわけですが 去る8月末の2日間に開催されたイベントは (公式サイトの概要によると) このイベントはブックフェアやブックフェスティバ…

ある「本のオビ評論家」の日記から

ああ、ええ話や。と思ったので引用。悪徳書店員日誌II「売れるオビ」 http://akuto9book.exblog.jp/12176190/第55回江戸川乱歩賞受賞作『プリズン・トリック』遠藤武文(講談社)がよく売れている。もともと乱歩賞は他の新人賞より売れる賞ではあるけれど、…