編集者が編集するのは本だけじゃない! ○○もだ!

ウェブも電子書籍もDVDもCDも編集しちゃうよでもいちばん仕事多いのはけっきょく紙

出版における“敵”という概念について

キンドル日本上陸祭りで
なんだか気ぜわしいですが
そんななか、fladdictさん(敬称略さず)←なぜだw
が自称釣エントリ
どんなに頑張っても、出版社は電子書籍の価格を防衛できない
を上げておられて
面白く拝読しましたんで、感想の走り書き。

・本論=エントリ名にあるとおり
 「出版社は電子書籍の価格を防衛できない」
 には同意します

・ただし、という注釈付で。

・つまり「出版社」といっても一枚岩ではないし
 仮に漠然と
 出版業界全体の意志、というものが
 あったとして

・そのギョーカイ総意が
 「電子書籍の価格を防衛すること」を
 目的にしているか? というと
 それは違うと思う

クズ本だったらば問題ない。だが彼らが、一定品質以上の本を、永久につかえる広告としてバラマキはじめたらどうなるか? これが電子書籍時代における、出版社の最大のライバルになりうる。

結局のところ、出版社の最大の敵は、同業者でもAmazonでも違法コピーでもない。真に恐れるべきは、失うものもなく、利益も必要なく、面白いコンテンツを作れるプレイヤーが出版業界の外には存在する……ということだ。そして彼らには出版の慣習も、仁義も、同調圧力も意味を持たない。彼らこそが電子出版の最大の驚異だ。


たとえば某ミキティ
こういうメンタリティで動いているんだろうか。
とか想像すると
面白くてしょうがなかったのですが

・出版活動って個人の趣味嗜好の延長でしかない、
 というところからスタートしているので

・自分たちの読者が「ヨソ見すること」を
 敵視する習慣はありません

・俺のことだけを見てくれよ!
 って言ったってそりゃ無理っすよね

・というか、そもそも
 出版界の人間って
 本を読む人間であることが
 圧倒的に多いので
 自分が「ヨソ見するな」って咎められたら
 どう思うか、というぐらいの想像力は
 持ちあわせているですよ

・同じビジネス書分野で、
 同じ啓発ネタをとりあげた
 「競合書」を
 異なる版元が刊行して
 自分たちは2000円で
 よそが200円だったら?
 そんな未来が来たとして

・無茶しよるなあ、とは思うけど
 2000円という価格に根拠があるなら
 2000円で戦うしかないんですよ

・「敵」は
 外にいるんじゃない、
 内にあるんだ(キリッ

……ということはね
出版界全体が認識している(と思いたいw


ここで提議された問題の本質は
すなわち

コンテンツにとっての適正価格とはなんですか。

だと思うわけです。
ええ、変わり映えのしない持説で恐縮です。

アマゾンが本気出したら
・紙の本の新刊の価格
・電子版の価格
・紙の本の中古の価格
が並ぶんです。
というか、その日は
もうすぐそこまで来ている。

他社の書籍との並びを考える以上に

このコンテンツの売値はいくらである「べき」か

という自問自答行為の有無が
問われるようになる。

・紙の本の新刊の価格(たとえば2000円
・電子版の価格(たとえば1400円
・紙の本の中古の価格(たとえば200円

いちばん売りたい形態が
このうちの
・紙の本の新刊の価格(たとえば2000円
なのだとしたら

それ以外の形態との差分を埋めるだけの
付加価値を
どう産み出すのか。

  古くからある手法が
  著者サイン会とか
  初版限定○○付とかなんですけどね
  あと、逆転的に編み出されたのが
  電子版をほとんど紙と等価に設定して
  なんだそれなら紙買ったほうが。
  と思わせようとする姑息な(ry

繰り返しになりますが
業界の外から
価格破壊な奴らがやって来ようが来まいが
それを気にしてる場合じゃない。
ってことぐらいは
わかってますよ、なあみんな!

おやへんじがないただのしかばねのry