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編集者が編集するのは本だけじゃない! ○○もだ!

ウェブも電子書籍もDVDもCDも編集しちゃうよでもいちばん仕事多いのはけっきょく紙

本屋大賞に上手にケチをつけたやつが優勝? なのかおい

乙川優三郎
とある作品を読んでいて、思ったことが
最近、頭から離れませんで。

つまり、先生
相変わらず
すばらしい作品ですねえ、
最初の読者として
私たいへん感服しました。
けど、あれ? えへ
(自分史上最高の笑顔で可愛いらしく)
藤沢周平っぽすぎないですかね。

……とは、
担当編集者は
言えないと思うんですよ。

なんてったって
趣味で原稿いただく
わけではないんですからね。
仕事ですからね。
お相手の先生即ちクライアントですから。

しかも、この場合
作品として詰めが甘いとか
首尾が一貫してませんぜとか
そういうレベルの
(わかりやすい)ダメ出しではなく

ただ、作品の
(本来慎重に回避せねばならない)
藤沢周平色がいつもより強すぎて
結果的に
乙川優三郎オリジナリティーが
薄れているのでは、という
至って感覚的な虎の尾
……言えますか、
もしあなたが担当編集者なら?
という脳内プレイの話なのです。


クライアントの虎のしっぽが
そこに見えているにもかかわらず
わざわざそれを踏みにいくサラリーマンが
もし部下にいたら
それは全力で止めるべきでしょうし
もしそれが嫌いな上司なら
黙ってヒドいことになるのを待って
酒の肴にするほかないでしょう。

つまり、本来は
作家と編集者という関係値を根拠に
蛮勇をふるって編集者が口にすべき問題が
それは無理な話なんだとしたら
……と、脳内でぐるぐる考えていて
ふと閃いたのが
「そうか、だから読者が
 感想を述べるしかないのか」
ということ。


つまり、関係者が言いにくいことをあえて言うのも
昨今は読者の務めなんですよ、という
ここまでが前フリです。


あのすばらしかった本屋大賞
メジャーになって変節してしまった。

とかなんとか
言いがかりをつけるような記事は
黙殺すればいいだけだと思うのですが

どうせなら1点、
たしかに今回2012年の本屋大賞
これまでになかったコトがあった、
そのことに何故触れないのか。
そう思ったんです。

で、ここはいちばん、
本屋大賞ウォッチャーとしての俺が
言うしかないんじゃなのか、と。
(=誇大ナントカorz)


それ即ち

有川浩の「ノミネート辞退」問題

そこに至るまでの経緯は正直、どうでもよくて
(検索すれば「へー」とは思いますけど)

・有志が自発的に応援したい作品を選んで、
 それを内輪で発表する
・その企画をシャレっ気こめて
 「本屋大賞」と呼びましょう

という主旨で始まった“賞”は
元来、辞退とかそんなおおげさなキャラ(の賞)ではなかった
はず。
です。
よ。
たぶんそれはもう、
関係各位がいちばんご存じのとおり。

ではあるのですが、
実態として
お金のニオいをかぎつけたひとびとが
たくさん寄ってきて
他人のふんどしを体に巻きつけるのに
1mmも躊躇しない、
テレビとかいうメディアも
寄ってくるようになって
本屋大賞
その本質は不変でありながら
取り巻く環境は激変しました。

その、象徴的な事件が

有川浩という、多くの読者を持ち、
誰もがその才能を認め
ある意味「本屋大賞」という冠に
もっとも近いはずの作家が
わざわざ辞退した、
という今年の一件だった。

だってさ、
本を愛する人たちから推されることを
辞退する作家、って
何ですかその矛盾。

で、そうした一連の話に触れずに
変節とかなんとか言われてもねえええ?
ええ、本屋大賞にケチつけるなら
まずは有川浩コメントのひとつでも
とってから言わんかい。
そう思うのでした。