編集者が編集するのは本だけじゃない! ○○もだ!

ウェブも電子書籍もDVDもCDも編集しちゃうよでもいちばん仕事多いのはけっきょく紙

詠み人(行方)知れず

コンビニという場所に行くと
なんかしらツイートしたくなるようなモノやコトが
転がっている、と思うクラスタですが
いまや幻となった
コンビニ店長がつらつらと書く日記が好きでした。


読むようになったきっかけは
「関東地方のとある外れで、地震の直接の被害はほぼなく、
 停電というかたちで間接的な被害があった程度」の
「とあるコンビニの金曜日から土曜日にかけて」
という文章で。


 17時近くになると、レジの行列が20人を割らなくなり、行列が店内を一周して外にはみだしかける。俺は停電からこっちずっと大声上げてたんだけど、ここでさらに大声を上げることに。いまこの状況でいちばんやばいのは、客の殺気に俺が迫力負けして、場の支配権を失うこと。そうなったら、パニック起こると思った。それくらい状況は緊迫してた。なので、そばにいる人間が耳をふさぐくらい大声で、特に意味のないことでもずっと声を出し続けた。そのせいか、客にレジの順番を守らせるために出す指示も、ほぼそれに逆らう人間はいなかった。


 17時からの高校生は二人とも定時前に店に来た。これで、合計7人。パートのおばちゃんは戦線離脱。それと入れ替わりに、別の夜勤の人が、兼業のほかの仕事帰りに店に顔を出す。駐車場の車がやばい感じになってたので、交通整理を即依頼。実は今回の騒動中、いちばんのポイントはここだったと思う。うちの店は交差点のすぐそばにあって、しかもアウトカーブの途中にあるので、駐車場の入口がすごく入りづらい。そのうえ、出て行くのもなかなかめんどくさい。その交差点の信号が消えてるからなおのこと。ここで事故が起きたら、もうどうにもならないパニックになることは明白だったんで、この判断はよかったと思う。


 このへんで弁当が入荷。すでにトラックは出てたせいで、納品そのものは通常どおりの数が来た。が、店内の雰囲気を見て、ここで弁当をいきなり出すのはまずいと判断した。この店内の人間の数、雰囲気で弁当出したら、そこに人間が殺到して事故が起こりかねない。そこで、納品は裏の倉庫に直接入れてもらう。店内の客足がちょっとでも途絶えるのを待つ。タイミングを見計らって、いま現在いちばん人が少ない雑誌の通路の前あたりにケースごと直接置いて「お弁当が入荷しました!
 お弁当が必要なお客さまは売場側の通路へ行ってください!」と告知。それでも人間が集中して5分ともたなかったが、混乱は避けられたっぽい。


ところでこれ、書いていた本人の意志によって
ウェブから削除されているテキストなんですよね。
(なんで、あえて出典記載せずの引用、です)
(原文はこの引用部の軽く10倍はあろうかという長文)


当該ブログが作者意志で完全閉鎖、という情報が出回った瞬間
Googlキャッシュで表示したものを
エバーノートにクリッピングして
そこから引用してるわけですが
(今でもキャッシュは効いているので
 同じ行為は誰でも可能ではある)


要するに、他人が燃えるゴミの日に捨てたものを
回収車が来る前にゴミ袋の中をひっかきまわして見つけた書付の
しわをのばして、なんか汚れてるけど読めるよ。
という行為にほかならない、そう自覚したうえで
ちょっこす引用してみたの。


……どうなの、これ。


「ゴミは捨てたひとが要らないっていうんだから拾った俺のものだ」
と言い張る気がもし私にあれば
なんだか面白い展開になるかも、
とちらっと思ったりしますが
(ちなみに著作者人格権は実際に書いた人にある、
 それが公開されていようがいまいが。当然ですね)
このケースでは、元の持ち主は所有権を主張しないですね、たぶん。
ってことはコピーレフトってやつか。そうか。


無名の、といって語弊があるなら
市井の人物の
書くものに価値を見出して読んでいた、
それが書き手の都合で削除されてしまった。


そのコンテンツは、誰のものですか。


インターネット時代に、ひとは
痕跡を完全に「なかったことにはできない」。
ということだとか、
いや、なんだかんだ言ってウェブで何かを書くという世界に
彼は戻ってくるんじゃないか、という淡い期待とか
そういうのとは別種の感慨を
いまだに、コンビニ行って、そのことをツイートしたりすると
ふと抱いたりしがちな私です。