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鞍馬天狗全作品レビュー完了の記 付・作品年表


夏休みの自由研究に
鞍馬天狗の全47作にレビューつけていこうず。
と思い立った時点で未読作品がけっこうあったので
ゴールまでの道は小学生の自由研究並みには険しいものでした。


終って覚える解放感は
これでようやく鞍馬天狗以外の本が読める
というはなはだアレなものでしたが(←正直者)
いやー長かった。


いろいろな発見がありましたが
いちばん心に残ったのは
朝日新聞出版がオンデマンド版で
大佛次郎時代小説全集(全24巻)を出していて
その惹句が
  あの国民的ヒーロー"鞍馬天狗"の全話が
  堪能できるのは本全集だけ。
と、26編しか入ってないのに大嘘を堂々と書いている件。
これはね、真剣にダメだと思いました。


なお、大仏次郎作品が青空文庫に入るのは2023年です。
青空文庫プロジェクトは全面的に支持する私ですし
鞍馬天狗アクセシビリティが向上するのはいいねえ、と
真剣に思いもする私ではありますが
今回、鞍馬天狗を次々に読みながら思ったのは
“現時点で”この作品をどう読めるか、という解題が付いてくる点に
コンテンツの有償/無償のラインを引けるのかもなあ。
ということでした。


一応ほら、仕事っぽい感慨もなくはないってことで

鞍馬天狗作品年表

・作品内の“事件”発生時点をその作品の年月とみなしています
・作品名の末尾に#印のあるものは、作品内での時間経過があまりに長引いたので
 “事件”終了時を表したもの
・A系B系については「2.銀煙管」参照

年月 作品名A系 作品名B系
1862年3月 1.鬼面の老女  
1862年8月   26.天狗倒し
1863年3月 13.剣侠閃光陣 19.雪の雲母坂
1863年4月   28.鞍馬天狗敗れず
1863年6月 2.銀煙管  
1863年7月 3.女郎蜘蛛  
1864年2月 30.紅梅白梅 41.夜の客
1864年3月   39.夕立の武士
1864年4月   37.雁のたより
1864年6月   16.天狗廻状
    18.宗十郎頭巾
1864年7月   40.影の如く
1864年8月 22.幕末侠勇伝  
1864年10月   44.黒い手型
1864年11月   45.天狗が出た
1865年2月   36.青面夜叉
1865年3月   11.角兵衛獅子
    47.地獄太平記
1865年4月   27.鞍馬の火祭り
    14.山岳党奇談
1865年5月   17.地獄の門
1865年7月   21.御存知鞍馬天狗
    15.青銅鬼
1865年10月   38.紅葉山荘
    46.西海道中記
1865年11月   33.淀の川舟
1866年3月   42.女郎蜘蛛
    20.江戸日記
1866年6月   47.地獄太平記#
1866年8月   24.西国道中記
1866年9月   20.江戸日記#
1866年10月   43.深川物語
1867年9月 4.女人地獄  
  5.影法師  
1867年10月 6.刺青  
1867年11月 7.鬘下地  
1867年12月 8.香りの秘密 35.一夜の出来事
  9.御用盗異聞  
1868年1月 10.小鳥を飼う武士 34.風とともに
1868年3月   25.薩摩の使者
1868年4月   23.江戸の夕映
1868年5月 12.鞍馬天狗余燼  
1869年5月   32.拾い上げた女
1869年7月   29.新東京絵図
1869年10月   31.海道記