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編集者が編集するのは本だけじゃない! ○○もだ!

ウェブも電子書籍もDVDもCDも編集しちゃうよでもいちばん仕事多いのはけっきょく紙

痛風デイズ

ただいま絶賛進行中の仕事で
あーあーもー。
みたいなことが連発されていると
28歳の誕生日の発症以来、もう10年越しの付き合いであられる
痛風サマがひさびさに登場の予感。

基本的人格がむっつり。しんねり。
の私としては痛風なんすよ実は。というネタは
どんな初対面の方とも話がはずむので(……)
社交上、重宝しています。たとえばこんなのがFAQ。

Q. 痛いんですよねえ?
A. おもに足の小指が。ひとは足の小指が痛むだけで
こんなに弱るものかっつーぐらい弱りますよ。

Q. ずっと薬飲まなきゃいけないの?
A. もう10年以上毎日、尿酸値を下げる薬飲んでます。
それでもいわゆる発作と呼ばれる状況に、年に数回なるんですが。
とくに夏が危ないですね。

Q. ビール飲んじゃダメなんですよね。
A. 飲みますけどね。個人的にはアルコールが原因なんじゃなくて
ス・ト・レ・ス。ストレスが原因なんですよゼッタイ。
って言うとね、私のことを知っている人々は全員
同じコトを言うわけです「ストレスなんか無さそうなのにねー」
それがストレスやっちゅうねん。

さて、「一瞬の風になれ」がどうにもこうにも名作だったので
手持ちの佐藤多佳子既刊を読み返して、それぞれに
重い! こんな重い話だったっけ。
(「サマータイム」も「スローモーション」も「黄色い目の魚」も!)
と、自分の忘却力のありがたさをしみじみ味わっていて
もうこうなると、初読と再読の違いなんか
どこにも無いような気がしますが
最近(たぶん)初めて読んだ本も、ないではない。

山本幸久「凸凹デイズ」
北上次郎いわく、山本幸久
こんなにうまいのに売れない理由がわからん、
考えられるのはもう、作者の名前が地味すぎる、とかそういうこと?
そんな、本の雑誌お墨付きのこの作品は
ちいさいデザイン事務所の日常を描く会社小説で
書名で読後感を検索してみると
小説にインスパイアされて書かれたらしき、
地に足のついた・イイ感想がたくさんヒットしてきます。
そういう化学反応を起こす作品が悪いわけがない。
個人的には作中に登場するデザイン事務所の固有名詞、
凹組(ぼこぐみ)
にいたく感心。いいセンスだと思うわー。

葉室麟「乾山晩愁」
直木賞候補にあがっていた作家だったのでついふらふらと、
という非常にベタな経路で読んだわけですが
予備知識として持っていた印象どおり
地味だね。そして画数多いよね。←そんな感想
手堅い文章で
お、と思わせる題材を料理している、という意味で
いかにも良心的な読書人向け小品、ではあるのですが
これも個人的には、もっともっとケレンの要素が加わって
いかにも“これなら売れるわ”というほどあざとくなった作品で
この作者の本質を覗いて見たい、かな。

樋口有介「夏の口紅」
それこそ直木賞だったり日本推理作家協会賞だったりの
候補に挙がった経歴ある“実力派”をつかまえて
こういう言い方もどうかとは思いますが
3年前の、創元推理文庫ラインナップ入りが
この作家にとってのターニングポイントだったのでは。
自分がこのひとを知ったのがそれ以降だから、という印象論
だけではあるまいと、数えてみたんですが ← ヒマか
処女作刊行の1988年から2006年まで、ほぼ20年で
著作が全部で28冊。
2006年11月以降2009年7月のこの作品まで、2年半強で出た
文庫なんと17タイトル。
初版が1991年というから、相当に「古い」物語のはずが
まったく同時代のものとして読めるこの作品が示すとおり
それだけの書き手が相応の評価を市場から受けた「だけ」
と断言できるんで、旧作の新装版文庫が出るたび
愛読者は幸せホクホクな日々。