編集者が編集するのは本だけじゃない! ○○もだ!

ウェブも電子書籍もDVDもCDも編集しちゃうよでもいちばん仕事多いのはけっきょく紙

「仕掛けることで売れる」現象についての雑な感想

たとえば
どこそこの本屋さんがPOPを付けたら火が付いて。
とか
その話を聞いた出版社が重版帯にPOPを引用したら
全国的に燃え上がり。
とか
わりと「イイ話」として取り上げられがちで
むろん、明るい話題だし
自分も好きな作家がその対象だったりすると
GJ!
と思うわけですが

ふと気付くと
新古書店にその手の作品が大量に入荷してたりするので
世の中ゆだんたいてきだなあ。と思いますね。
(例1)


(例2)

なお、この件について個人的な結論は出ていて


つまり
・むかしの調子で刷ったって売れない現実を
 いいかげん認めようや
・構造的な不具合の受け皿として
 新古書店がいま果たしている役割を見ず
 いたずらに嘆いたり
 いたずらに持ち上げたりするのは同罪っすよ

リンク先の記事を読んで思ったのは
出版不況という状況に荷担している、という意味では

・現実を直視しようとしない版元
・同上の新刊書店
・同上の書評子

などと同じだけの罪を

・新古書店ユーザーの俺

も負わにゃーイカンのか。という
ま、いまさらな感慨。

もちろん「モノを定価で買わない奴」が
作り手から唾棄されるのは認識していますけど

・単行本買わずに文庫を待ちます、って言うと
 ヤな顔されるんですけど
 だったら文庫化しなきゃいいよね?
(=高村薫を見習え)
(=文庫派の俺たちが待ちくたびれるほどのタイムラグ)

・新古書店が昔ながらの古書店と違って
 猛烈にイヤがられているのは、
 古書店が個人の趣味レベルでの流通だったのに
 そこを逸脱して業界全体に影響出るレベルで商業化したから、
 だと思っているのですが
 本当に新古書店が出版不況の元凶だと思うなら
 違法化しちまえよ、いまからでも遅くないよ?

ええ、うん、とくに結論はなくって

・新古書店という流通網が既にエコシステムの中にできてるんだから
 それを見ないようにするのではなく
・新刊として提示する「定価」が果たして
 世情に見合っているのか、を考え直すべきだし
電子書籍の意外な効能は
 値付けの主導権を作り手が
(一部とはいえ)取り戻せるところにあるんじゃ

という、持ちネタに終始しちまったw