編集者が編集するのは本だけじゃない! ○○もだ!

ウェブも電子書籍もDVDもCDも編集しちゃうよでもいちばん仕事多いのはけっきょく紙

2009-01-01から1年間の記事一覧

140字におさまらなかったRT @ToshioOkada 読んでない本は資産ではなく、負債なんだ

Twitter上のとあるつぶやきを 発言者である岡田斗司夫本人が ブログ(ゼネラル・プロダクツ)エントリにまとめていますが その感想−というよりは、 本当は私もtwitter上でさっくりRTしたかった。 というところから、話は始まるんです。 「本を買う」のは円とい…

宮部みゆき「孤宿の人」文庫化まで4年以上待った甲斐あってたいへん傑作な件。

宮部みゆきの時代小説を語るとき 読者の私の頭に常にあるのは たとえば人情という概念を小説にしようとするとき 現代日本が背景だとそらぞらしくなってしまう。 人情が最早フィクションの中のものになってしまったから ……という主旨の、作家自身の述懐です。…

出版社としての「ほぼ日刊イトイ新聞」

テレビを観るような、ともだちと雑談するような、「読む時間そのもの」をサービスしたいと思いました。変化しつながり動くメディアを目指して、11月から、朝日出版社と出版の冒険をやっていきます。 と、サイトにいまも残る“宣言”を 「ほぼ日刊イトイ新聞」(…

500号よりスゴイこと

RO創刊500号だそうで。おめでたいことです。なにしろ14歳から10年弱、 毎号本誌を買うだけでなく 「RO Japan」「CUT」「H」「SIGHT」 すべて創刊号持ってます! というぐらいなので (桜丘にオフィスが移ったときの 渋松対談とか懐かしいすな) (仕事でその…

それこそ「家でやろう。」だっつーの

ひさびさに東京メトロ某ターミナル駅を利用したのですが 駅構内にモニターが設置されており http://www.tokyometro.jp/news/2009/2009-34.html 中島義道(「うるさい日本の私」)もびっくりの大音量で コマーシャル動画再生中。電車が接近するたび構内放送を優…

やわらかであたたかでまとわりつくもの。「母なる証明」

五十嵐貴久の最新文庫化作、「パパとムスメの7日間」。 パパとムスメのカラダとココロが7日間入れ替わる、っつー 先行類似作がとても多いジャンルにいまさら参入? なんて無謀な。と読むまでは思っていたのですが 10代後半のムスメを持つ 40代後半のオッサン…

「知っている」と「知らない」の差

今野敏「安積班」シリーズを なにかの義務のように、4日で10冊読んで思ったことは・そういうふうに読むもんじゃない ・テレビ版見たこと無いけど佐々木蔵之介はナイスキャスティング ・その他のキャスティングについてはノーコメント ・でも須田=塚地は悪く…

60年代ブリット・ポップ好きとしては微妙「パイレーツ・ロック」

我が愛する小デブ(=まくらことば) フィリップ・シーモア・ホフマンの主演最新作 「パイレーツ・ロック」を見ました。ウェールズが誇る変態(=ほめことば) リス・エヴァンスにオイシイところを 危うくぜんぶ持っていかれそうになりつつも 帳尻をあわせる…

怖いよー永井するみ「欲しい」

日曜18:30に「サザエさん」。という習慣を失って久しい私は 日曜デイタイムはTVで競馬ウォッチ。という習慣も 徐々にではありますが、薄れつつあって だから、その日U局の競馬中継を見ていたのも そして裏番組のザッピングをしていたのも 悪夢のような偶然が…

「収縮する旧来型出版ビジネスを乗り越えるために」

ひとさまのエントリー http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=173280&log=20091027 経由で覗いてみたらけっこう面白かったよ。 A coming new obsession: how to handle a smaller print-book business 旧来型出版から電子出版への変化はもはや確定事項だ…

夜明けはそう遠くない。と思いたい

本と出版の未来を考えるためのメディア、 を標榜する「マガジン航」が10/20に一般公開されてからというもの 興味深い分野だけに、熱心に読んでいるのですが たとえばこんなエントリー。 あなたが何を書こうと、ワンクリックするだけで、ウェブには常に、もっ…

うほっ。「来年こそ電子出版市場立ち上がりの年になるのかもしれない」

つい揶揄するようなタイトルをつけてしまいました、失礼。時事ドットコム:湯川鶴章のデジタルてんこもり 09.10.13 http://www.jiji.com/jc/v?p=it-bowlful_2601&fromOssm「アマゾンkindleは、電子出版時代を引き連れてくるのか」 というタイトルで語ってい…

こるしかon wire

ネットの雑誌有料閲覧、サービス中止を要請 日本雑誌協会は8日、インターネット上で雑誌を有料で閲覧できる会員制サービス「コルシカ」を7日にスタートさせたエニグモ(東京都渋谷区=須田将啓、田中禎人共同社長)に対し、著作権侵害にあたるとして、サー…

文庫背表紙2題プラス1

1冊の本の装丁を“外周”限定で考えると 構成要素は「表1」「表4」「背表紙」になりまして・表1は自由です自由。デザイナーの腕のふるいどころ ・表4は文庫全巻で統一ですから考えなくていいです ・背の色は複数刊行が実現した時点で作者単位で決めますねとい…

それは読者の仕事じゃないよ。

Googleブックプロジェクト賛成を表明している 数少ない作家、佐々木譲。まもなく公開される映画「笑う警官」etc.の “警察小説”によって読者になった私からすると キャリア30年の大ベテラン作家 (日本冒険小説協会「大賞受賞」なんと3度!) ということがそ…

遅ればせながらポット出版の2冊を読了

出版コンテンツ研究会「デジタルコンテンツをめぐる現状報告」 永江朗「本の現場」 いずれも 私のように出版とウェブと、その両方の端っこに 腰をおろしている人間にとっては 「現状報告」あるいは「現場」というべきもので ことさら耳に新しいことが書かれ…

映画「サマーウォーズ」は41歳♂の心のスイッチもONにするのだ

ピタゴラスイッチとか お父さんスイッチとか スイッチにもいろいろありますけど 比較的最近、気になっているのは インターネット・スイッチです。「何やってんの」 「インターネット見てます」 「どうやって見るの?」 「んー(説明面倒だな)」 「スイッチ…

高遠ブックフェスティバルに行かなかった記

ブックフェスティバル。 ということばの響きだけで思わず浮き足立つのは 本好きな同類の皆様と まったく同じだろうと思うわけですが 去る8月末の2日間に開催されたイベントは (公式サイトの概要によると) このイベントはブックフェアやブックフェスティバ…

愛馬に冠馬名をつけたい心理と共通するのかもしれん

流対協(出版流通対策協議会)の 「Googleが商用目的で、著者や出版社に無断で書籍をスキャンする行為は日米の著作権法に違反している」 という発言に抱いた違和感と同じものが 自著を無断公開された著作権者2人がグーグルを刑事告訴 http://internet.watch.im…

ある「本のオビ評論家」の日記から

ああ、ええ話や。と思ったので引用。悪徳書店員日誌II「売れるオビ」 http://akuto9book.exblog.jp/12176190/第55回江戸川乱歩賞受賞作『プリズン・トリック』遠藤武文(講談社)がよく売れている。もともと乱歩賞は他の新人賞より売れる賞ではあるけれど、…

電子書籍・天下一武道会

日本ペンクラブの異議申し立ても、結局は 「自分の著作なのに電子書籍化の主導権が自分ではなく Googleにあるのは解せない」 ということかと思うわけですが 見出し的には 「Googleブック検索和解に反対する団体結成 MS、Yahoo!、Amazonも参加」 となっている…

編集者もタイヘンだ

宇江佐真理の小説が杉浦日向子の漫画を元ネタにしている件は 一度エントリーにまとめて http://d.hatena.ne.jp/lafs/20090727/1250902315 心の整理はついた・つもりだったのですが 「髪結い伊三次捕物余話」シリーズを 第1作から読み返して、つい気になった…

本は「みんなのもの」でいいけれど

永江朗氏のweb連載に 「本は誰のものか」と題された回があり http://www.sogotosho.daimokuroku.com/?index=hon&date=20090824 果たして知識や知恵の結晶といえる本とはいったい誰のものなのでしょうか。 情報化社会における本とコンピュータをめぐる議論の…

よ〜く考えよー。ラベルは大事だよー

愛読する「WEB本の雑誌」連載 「帰ってきた炎の営業日誌」8月13日付エントリーから。 http://www.webdoku.jp/column/sugie/2009/08/14/184944.html北与野の書楽を訪問したら担当のSさんから「エッセイの棚をどうしようかと思っているんですよ」と相談された…

同じ提案も発言者が違うと受け止められ方も違うという話

国会図書館、書籍をネット配信へ--利用料は1冊数百円程度に http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20398695,00.htm@「この先にある本のかたち−我々が描く本の未来のビジョンとスキーム」というイベント。出席は 国立国会図書館長(長尾真) 慶…

全米のみなさん「Ponyo」はどうですか。

ウニの造形における最大のチャームポイントは あのトゲトゲの長さがまちまちなところ、だと思うのですね。 なんでその1本だけびょ〜んって長くなってんだ、 格好悪いし、 そもそも移動するときに折れそうで危ないじゃん。 という感想を他者が持とうが ま、こ…

「セルラー」見てなきゃよかったかも……「コネクテッド」

「インファナル・アフェア」から「デパーテッド」へ。 など、香港映画のハリウッドリメイクは過去に例があるものの ハリウッド映画の香港リメイクは今回が史上初、だそうで。 突然何者かに誘拐された女性。監禁された場所にはなんと固定電話が! ラッキー。…

「星新一時代小説集 天の巻」にあっけにとられる。の巻

昭和40年代生まれの例に漏れず 星新一ショートショートの洗礼を私も小学生時代に受けました。 それはたとえば 空からおたまじゃくしが降ってきた、という ニュースを聞いたとき、最初に思い出したのが 「おーい。でてこーい」という ある日突然出来た深い底…

うっかり見た映画「300<スリーハンドレッド>」を皮切りに

映画「ウォッチメン」の監督 ザック・スナイダーが紹介される際、しきりと “あの「300」の” という文句が付いているのが気になっていたので 意を決して見てみました。 こう見えてバカ映画は嫌いではないのですが 見終わってから、誰かが言っていた 「プロレス…

スポーツ小説の皮をかぶった……なんだろう、エンターテイメント小説か

3年前、読書界が ランナー小説ブームにわいていたことをご記憶でしょうか。単行本がどれだけ話題になろうとも 文庫落ちまでじっと待つ。が基本の私、 いらいらしながらその様子を見ていたわけですが 桂望実「Run! Run! Run!」も文庫化されたので ようやく、…