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「セルラー」見てなきゃよかったかも……「コネクテッド」

インファナル・アフェア」から「デパーテッド」へ。
など、香港映画のハリウッドリメイクは過去に例があるものの
ハリウッド映画の香港リメイクは今回が史上初、だそうで。

突然何者かに誘拐された女性。監禁された場所にはなんと固定電話が! ラッキー。と思う間もなく犯人が戻ってきて、物理的に電話機を破壊してまたどこかへ行ってしまう。しかし、火事場のナントカというやつか、残骸の電話線で回線接続に成功! ラッキー。と喜ぶのももどかしく、電話がつながった見知らぬ男性に彼女は運命を託して助けを求める。

という
そもそものお話の始まりからして
突っ込みドコロは満載なのですが
(1)突然誘拐された理由は何だ、というwhy
(2)男が女を救う大団円までのhow
の2点を牽引力として
物語は疾走する、そういう脚本。

場所や登場人物が
ハリウッドから香港に移植されている以上の何か、
たとえば
オリジナルのそこかしこにある「ご都合主義」を
いくらなんでも、もうちょっと自然に見えるような工夫をする、とか
そういう改変があるといいなあ。と思っていたのですが
残念ながら
そういう意味でのリメイクではなく
アクションシーンの充実に気合いが込められていた模様。

巻き込まれ主人公である男性のプロフィールが
劇的に変えられていたのは
リメイク版があきらかに優れていた点で
お手柄だったのですが
女主人公の職業
(理科の先生→会社経営者)
巻き込まれる警官のバックグラウンド
(退職して開業する寸前→降格人事の憂き目を見ている)
など、オリジナルの脚本が
伏線として機能させていた細かな設定を
おまえ深く考えずに変えただろうこれなあ。
と説教したくなるような、
オリジナル版では効いていたパンチが
リメイク版では甘く入ってしまうシーン多々。

というわけで、総合するに
前評判高かった「コネクテッド」を見たおかげで
オリジナル「セルラー」の脚本が
よくできていたことを再確認したという微妙な結果でした。