フィーチャーフォンという単語の初出用例を追う(そして疲れる
何日か前、ツイッター上で
「フィーチャーフォンってガラケーのことだよね?
いつできたのそんなことば」
「私は2011年5月18日に見かけてますねー」
スマートフォンにあやかって、なのか対抗して、なのかガラケーをフィーチャーフォンと呼びたいらしいけれども、では改めて問うが、おまえは何をフィーチャーしているのか。
— unpocketableさん (@unpocketable) 2011年5月18日
というようなやりとりをして
そうか、前から俺は気になっていたよ
おまえのことが! フィーチャーフォン!
とあらためて思ったので
今後、さらに古い用例が篤志家の研究によって
発掘されることを期待しつつ
暫定俺調べ結果をまとめておきます。
■まずはウィキペディアの履歴を見てみた
2005/10/22
wikipediaにスマートフォン項目が登録
2010/5/20
同じくフィーチャー・フォン登録
スマフオン(c)NHK_PRという単語を
初めて耳にしたのがいつだったかは記憶にありませんが
どう思ったかは覚えています。
別におまえ、スマートじゃねえし。
スマートフォン(SmartPhone)は、携帯電話・PHSとPDAを融合させた携帯端末。通常の音声通話や携帯電話・PHS単独で使用可能な通信機能だけでなく、本格的なネットワーク機能、PDAが得意とするスケジュール・個人情報の管理など、多種多様な機能を持つ。通常の電話端末よりも画面が広く、その分本体も大きくなるのが特徴。(略)2005年にはNTTドコモがモトローラと共同で「M1000」を開発、またシャープとウィルコムがWindows Mobile for PocketPC 5.0を搭載した「W-ZERO3」を出すなど、ここにきて日本でも本格的なスマートフォンが普及するきざしが出始めている。
(日本語版ウィキペディア、初版における解説)
上で引いた記述に登場している端末のもっさり感こそが
まさしく当時の私(だけでなく、モバイルビジネス関係者)の
印象を裏付けるもので、つまり
・ウェブ閲覧ができるだけならガラケーと違わねーし
・我らが偉大なiモードビジネスモデル様は
コンテンツを供給する観点からすると崩したくないし
その牙城をゆるがすようなモノにはならないよね(←間違ってた
話がそれてしまいましたが
まずスマホということばがあって
そのあとで「スマホ“じゃないほう”」として
フィーチャーフォンということばが言われ始めた、
その時期は2010年5月である、ということ。
■ぐーぐるせんせいに聞いてみよう
Googleには「期間を指定して検索する」機能があります。
ところがあれ、
ページそのものがウェブに上がった日付を表示してしまうので
たとえば同じファイル名で今日更新していても
え、ぼく2003年からここにいますよ?
と主張しやがりまして
あんまり「古くからいる奴の古い顔」を
確認する用途には向いていません。
いっぽうで、googleトレンドという機能があって
これはあくまでも
相対的にどのぐらいの検索ボリュームがあったか、を
時系列で可視化するものなんですが
これによると
日本ではどうやら
2010年4月にひとがフィーチャーフォンって何や。
と検索はじめたらしい、とわかります。
■もっと古い用例はないのんか
次に、QAサイトで
フィーチャーフォンということばが使われている事例を
調べてみましたら
Y!知恵袋 2009/11/23
OK Wave 2010/8/6
が、それぞれ初出でした。
おお、2009年11月! 早いじゃん!
ちなみに英語版ウィキペディアに
Any mobile phone that is not a smartphone or PDA phone.
という説明で
Feature phoneの項目が立ったのは
2009年11月12日。
スマホありきの単語らしいこと、
英語圏で用いられた時期もこのあたりらしいこと、が
ここでも推測できますね。
■だがしかし、われわれはついに人類最古の!
面倒になってきたんで(おい
結論を申し上げると
2001年7月19日にアイティメディアが
ワイドバンド時代到来で「Stinger」が日本でも?
http://www.itmedia.co.jp/mobile/news/0107/19/stinger.html
という記事を載せていまして
Microsoftは,現在3つのモバイル向け技術を推進している。1つがPDA向けの「PocketPC」,2つ目がフィーチャーフォン(ブラウザフォン)向けの「Mobile Explorer」(用語)で,3つ目がスマートフォン向けの「Stinger」だ
一方、インプレスは
2000年9月1日付の記事
「IDC、2004年の携帯機器の国内出荷台数は400万台と予測」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/1274.html
IDC Japanは、2004年の携帯機器の国内出荷台数が400万台になるとの予測を発表した。 同社では、Windows CEなどのOSを搭載するキーボード付きのハンドヘルドデバイスや、Palmやザウルスなどの手のひらサイズのPDAを「ハンドヘルドコンパニオン」と定義。これに業務用のペン入力型の機器「バーティカルアプリケーションデバイス」や、iモード等の「フィーチャーフォン」を除く簡単なPIM機能内蔵の携帯電話「スマートフォン」をあわせ、「スマートハンドヘルドデバイス」と定義している。
とかなんとか。
さすが老舗両サイト。古いな。
あんまり板についてない用例ではありますが
いまになっても日本語にはなじまないタームの
最も古い登場はこのあたりってことでFA。
……というか、最後の段落書いてて
気がついたんですけどね
こういうのって
アイティメディアなりインプレスなりが
先に調べておいてくれればよかったんじゃ俺orz
って。