編集者が編集するのは本だけじゃない! ○○もだ!

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「俺のライフログを経由して俺をホメてくれ」アプリ雑感

■日本酒専用の記録アプリ「SakeLover」
飲んだ日本酒の銘柄や感想、飲んだ場所などを記録できるiPhoneアプリが登場。
日本酒専用の記録アプリ「SakeLover」 - ITmedia ニュース

何を飲んだかっていう記録だけなら
エクセルに購入店と日付と銘柄はメモして
味に関する感想などはツイートするようにしている俺に
死角はなかった。

という話はありつつ
読書記録も
音楽再生記録も
同じことだと思うのですが

やっぱり
・こんなお酒を飲んでる俺
・こんな本を読んでる俺
・こんな音楽を聞いてる俺
を見てくれ。
そしてセンスの良さをホメろください。

というようなニーズはあると思うわけです。
や、他人事ではなく私にもありますしね。



■そういえば
この「SakeLover」以前にも
同趣旨アプリはありましたが
一瞬試したものの、利用が定着しなかった理由は
私の場合
・音楽と違ってお酒に接する導線が若干「非日常」であり
・俺を見てくれ欲を満たしてくれる機能がアプリに実装されておらず
・アプリの参照するDBにアイテム未登録回数多数

この3点が理由だった気が(いまごろ
します。という振り返り。

1点目
・音楽と違ってお酒に接する導線が若干「非日常」
これは、たとえば音楽なら
iPhoneで再生しながら
シームレスにアプリ経由で発信する、
というアクションが可能なわけですよね。
そして、お酒を飲む生活導線と
アプリを利用するソレとは
必ずしも密接しない、という。
  まあそのこと自体は
  音楽アプリだけが享受できる特権、
  という以上の意味はないんですけど。

2点目
・俺を見てくれ欲を満たしてくれる機能
たとえばアプリを中心にした、ニッチなコミュニティで
発言回数を重ねることによって
プレステージが向上する、というようなことを
うっすら期待するユーザーにとって
「アプリ軸コミュニティの存在が希薄」
「Tw、FB連携に対するモチベーションが醸成されづらい」
「キュレーターの不在」
などの問題は
決して小さくない、と。

とかなんとか言いつつ
やっぱり最大のマイナス要素は3点目の
・アプリの参照するDB
これですね。
アプリが連携するデータベースが
  たとえばアマゾンのような
  あるいはiTunesのような
巨大な・既成の・ほぼ完璧な
モノが存在するわけではないジャンルだけに
「せっかく飲んだお酒を登録しようと思ったのに
 一致する検索結果はありません、ってなんだよ!」
という状況に
複数回、遭遇すると
アプリを使う気力がめっきり
失われてしまいます。

以上の回顧をふまえて
ほんの数分使っただけの
SakeLoverアプリについて言うなら
とくに最後のデータベースがしっかりしていて
試しに今年に入ってから飲んだ銘柄を登録してみたら
全部該当する蔵元・銘柄がヒットしましたので
お、いいじゃないか感。

■もちろん
「俺を見てくれ」欲を満たすためには
銘柄単品をシェアするだけでなく
MyリストあるいはMyページを
ツイートしたりFBのウォールに投げたり
という機能があるといいんじゃないか、とか

本当は
「流輝」
だけではなく
「群馬県藤岡市松屋酒造
 特別純米舟搾り
 無濾過・生・H24」
までが自動登録できないと
俺たちは満足しないんじゃなかろうか、とか

読書記録に書影が
音楽再生記録にCDジャケット写真が
アプリサイドから提供されるのに慣れていると
自分で撮影したお酒の写真を登録できますよ、
というアプローチは面倒よね、とか。

まあ、自分がふだんどれだけ
APIに甘やかされているユーザーかっつーことを
再認識したりしました。

※そして久しく使っていなかった
音楽再生記録アプリを使ってみたくなって
Soundtrackingを試しております。
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これもしかし
「渋いですね」とホメられてナンボ。
な楽曲が不明って出たりして、
うむー。