「本を買うひとより借りてすませる人のほうが増えた昨今」という物言いの正確性を検証したい
図書館の電子書籍貸し出し 読める本は少ないが……出版社、協力の動きも
というITmediaの記事を読んでいて
本題とは関係のない
(日本図書館)協会のガイドライン策定に携わる湯浅俊彦・立命館大教授は「出版業界が以前、ベストセラー本を複数購入する公共図書館を『無料貸本屋』と批判した経緯が背景にある。図書館の貸し出しが書店で売られる本を上回る状況で、出版社は販売への影響を考慮して図書館への協力に消極的にならざるを得なかった」と指摘する
という一節がちょっと気になったので調べた覚書です。
図書館の貸し出しが書店で売られる本を上回る状況については、
たとえば
「出版状況クロニクル62」の
表のように
説得力ある数字が既定のものとして語られがち。
なのですが
こうした統計が指す「書店」って
アルメディア(という調査会社)のデータしかり、
出版科学研究所のデータしかり、
あとは……出版ニュース社の出版年鑑が出す数字もそうだな
「正規軍発表データ」における「書店」とは
「新刊書店」のことで(すよねえ?)
一方、今年に入って私自身が読んだ本の内訳は
新刊書店 18%
新古書店 70%
図書館 12%
ええ、もちろんこれは特異な数字ですけど
(そして去年は「泡坂妻夫引退公演」買ったから。
を免罪符にしていた私ですが
今年はそういう高額お買い上げ@新刊書店が無い!)
私が言いたいのは
新古書店で本を買うひとだっている
わけじゃないですか。
ってことなの。
冒頭の記事中でさらっと使われている
「本は図書館で借りるほうがむしろ主流な昨今」
云々もそうだけど
新古書店で流通している本の数を
いつまでもノーカウントで行くのは無理があるよ?
という私見を裏付ける数字はないんか(私怨w)
いろいろ調べてみたところ、あった、あった。
おお。環境省の「平成24年度使用済製品等のリユース促進事業研究会」てな資料によると、昨年度の古書・新古書流通量の推定冊数は4.37億冊ですってよ奥さん http://t.co/k4GSnPehDp
— unpocketable (@unpocketable) November 24, 2013
なお、この統計に辿り着くまでに
・ブックオフが自ら立ち上げた
「リサイクルブックストア協議会」なる組織が
無かったことにされつつある(?)状況
・それに反比例するかのように「日本リユース業協会」の
有力勢力として、新古書店が
環境コンシャスな俺たち。
という表情をつくりはじめているらしいこと
など、いろいろ分かって面白かったんですが
結論はまさしく
2010年に図書館の貸出冊数と「書店」の販売冊数が逆転、という統計から本が「図書館で借りる時代に」と語られることが多いけど、これは後者に新刊書店以外のチャネルを含まないがゆえに出ている数字で、正解は消費者が本を買う「場所が変わった」……という俺結論のソレ知ってた感orz
— unpocketable (@unpocketable) November 24, 2013
うん(´・ω・`)知ってた