編集者が編集するのは本だけじゃない! ○○もだ!

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鞍馬天狗

29.新東京絵図

初出:1947〜48年苦楽 参照:徳間文庫版(1990年5月、解説都筑道夫) 時代設定:1869年7月 「江戸が東京と改められたのが、前の年、明治元年の今時分、七月のことだった」 国営企業が独占していた事業に ベンチャー企業が敢然と戦いを挑みました。 到底勝ち目…

30.紅梅白梅

初出:1950年少年クラブ春の増刊 参照:初出誌 時代設定:1864?年2月 「新撰組に追われているのだ。きかれても、だれもこなかったといってくれ。」というなり、地面に身をふせて、草の中をはうようにして、逃げていく...まだ若い武士 「梁川先生のお宅でお目…

31.海道記

初出:1951年オール読物1月号 参照:朝日文庫版(10)(1981年11月、解説なだいなだ) 時代設定:1869年10月 「府中を改めて静岡となっていたが、東京を離れてここまで来ると、まだ新しい明治の匂いはない」 (=改称は1869年7月) 「庭にある木犀の花のかおりが、…

32.拾い上げた女

初出:1951年オール読物4月号 参照:中公決定版(11)(1951年11月) 時代設定:1869年5月 「明治二年の晩春の夜になってからのことである」 鞍馬天狗シリーズというものの 作者にとっての始まりは 読み切りの軽い1編として世に出したもので。 というのは有名な…

33.淀の川舟

初出:1951年オール読物6月〜7月号 参照:朝日文庫版(8)(1981年11月、解説佐藤忠男) 時代設定:1865年11月 「こんど出来た四番隊の隊長で、庄田玄一郎さまという方」 (=人名は架空だが新撰組の組織再編は1865年4月) 「よく晴れた晩秋の空に銀砂を撒いたよう…

34.風とともに

初出:1951年オール読物8月号 参照:中公決定版(11)(1951年11月) 時代設定:1868年1月 一旦京をひき払って大阪へ退いた幕府の軍が続々と、京へ向って上って来る (=鳥羽伏見の戦いは1868年1月3日に開戦) 「暮の疲れもあるし、元日二日の廓の夜は静かになるも…

35.一夜の出来事

初出:1952年オール讀物8月号 参照:初出誌 時代設定:1867年12月 「この慶應三年十二月の江戸では」全面抗争を決意した薩摩藩が 直接・間接不問で 江戸の治安を乱す行為を繰り返し 遂に堪忍袋の緒を切らした庄内藩が薩摩藩邸を焼き討ち。 という展開は時代…

36.青面夜叉

初出:1952〜53年サンデー毎日 参照:毎日新聞社版単行本(1953年6月) 時代設定:1865年2月 「鞍馬天狗先生は、一度、深い御恩になった...別れて以来、先生は私には苦労して探しても、つかまらぬ」 (=「17.地獄の門」以来、是枝七郎左衛門が再登場) 「京に悪…

37.雁のたより

初出:1953年サンデー毎日 参照:朝日文庫版(6)(1981年10月、解説高橋章子) 時代設定:1864年3〜5月 「鞍馬天狗は、京にいては身辺が危うくなって江戸にのがれてきた」 「都の花見なら彼は知っている。江戸に来て見ると...」 「旦那」と、屋形の外から船頭が…

38.紅葉山荘

初出:1954年オール讀物2月号 参照:初出誌 時代設定:1865年10月 「ここのところ新撰組は、何も仕出来すことなく、ねむっていたようなものなのだから」 (=新撰組の1864年は池田屋事件、禁門の変など多忙) 「壬生に出入するように成ってから彼は鞍馬天狗と…

39.夕立の武士

初出:1954〜55年サンデー毎日 参照:徳間文庫版(1989年9月、解説石井冨士弥) 時代設定:1864年3月 桂小五郎の愛人だった幾松が、遅れて、たったいま、外からはいって来たところだった (=1864年、禁門の変以前) 「八分ばかり咲いた桜の花を見上げて」 比較…

40.影の如く

初出:1955〜56年サンデー毎日 参照:中公全集(9)(1961年1月) 時代設定:1864年3月 河原町の長州藩邸に、鞍馬天狗が顔を見せたのは、久しぶりのことだった。 (=禁門の変で長州藩邸が消失するのは1864年8月) 「竹の子が出てやがる。」 目的のためには手段を…

41.夜の客

初出:1957年サンデー毎日 参照:中公全集(6)(1960年10月) 時代設定:1864年2月 桂小五郎が愛人の幾松の酌で酒を飲んでいる席に鞍馬天狗が姿を見せたのは、それから小半刻ばかり後であった。 (=1864年、禁門の変以前) 「どうも新撰組も、ひところにくらべる…

42.女郎蜘蛛

初出:1957年サンデー毎日 参照:朝日文庫版(8)(1981年11月、解説佐藤忠男) 時代設定:1866年3月 「母屋には誰もいないらしく見えます。これは藩侯が江戸に出ているお供をして主人が不在の...」 (=播磨龍野藩のスタンスが第一次、第二次長州征討間で 佐幕か…

43.深川物語

初出:1957〜59年家の光 参照:中公全集(9)(1961年1月) 時代設定:1866年10月 「城主は、老中となって江戸に出ていたのでしたが、伊賀伊勢三十二万石の政治は、城代家老が中心になって、平穏におさめているわけでした」 (=藩主藤堂家から老中は出ておらず、…

44.黒い手型

初出:1958年週刊明星 参照:中公文庫「時代小説英雄列伝 鞍馬天狗」(2002年9月、縄田一男編) 時代設定:1864年10月 「近ごろは長州も薩州もご公儀のご威勢があるから、以前より控え目になって...」 (=文久の政変が1863年) 「十日ばかりの秋の月が」 「どこ…

45.天狗が出た

初出:1958年日本経済新聞 参照:日経新聞縮刷版 時代設定:1864年10月 「その浪人者は鞍馬天狗という名を名乗って、おかみをおそれずに京都の町に出ては、大胆なことをするので新撰組や見廻組のだんながたが...」 (=見廻組の発足は1864年4月。1865年秋は「…

46.西海道中記

初出:1958年週刊明星 参照:朝日文庫版(10)(1981年11月、解説なだいなだ)・中公全集(9) 時代設定:1865年10月 「実は、薩州との密約の草案が、こちらで話が出来たので、至急に国の方にやって同意を求めたい」(=薩長同盟の締結は1866年3月) 「都では紅葉…

47.地獄太平記

初出:1965年河北新報ほか 参照:徳間文庫版上下巻(1988年12月、解説磯貝勝太郎) 時代設定:1865年3月〜1866年6月 「川向うに、製鉄所とかが出来るそうでチムネが立ちました」(=横浜製鉄所開設は1865年8月) 「藤はようやく枝に芽をつけたばかり」 牢獄から…

フリーランスとして生きる@幕末

1943年に週刊朝日で連載された「天狗倒し」 および 1945年6月〜10月に東奥日報、佐賀新聞ほか地方紙で連載された 「鞍馬天狗敗れず」 という2作品は 生麦事件(1862年8月)直後からのおよそ半年間の横浜を フリーランスのジャーナリストを追うことで 浮き彫り…

鞍馬天狗の年表作成が楽しすぎて困る件

読者歴30数年という、 自分史上最長・最古の愛を 鞍馬天狗というおじさんに抱いている私ですが ここ数週間で、急激に愛が加速してるんです。 理由は……とくにないね(キリッ