編集者が編集するのは本だけじゃない! ○○もだ!

ウェブも電子書籍もDVDもCDも編集しちゃうよでもいちばん仕事多いのはけっきょく紙

指定管理者の「民間業者ならではのノウハウ」が必ずしも善とは限らない件

はじめに申し上げておきますと
私個人は

・本屋さん好きだし
・図書館も愛用していますし
・古書店、新古書店も遠慮せず利用します
・しかも単行本は買わず、文庫化まで待つので
・自分縛りとして「文芸作品は借りない」って決めてます

というスタンスで、かつ

・自分と違うスタンスのひとがいたっていいじゃないか。

と思う者であります。てことは

・あなたと私のスタンスが違ったっていいじゃない?

ということでもあります。さて。

武雄市図書館、3カ月で1年分の来館者 TSUTAYA運営でリニューアル - ITmedia ニュース

ここの「ランキング」なるものを見て
1位の作品の詳細ページに行くと
蔵書1冊、予約待ち15件
という数字が。おー。
(=複本ないって、それは慶賀すべきことでは。の意)

念のため
同2位、3位の作品を見ても
結論は変わらなかったんで
へー。
意外ー。
としつこく5位まで見ていったら
蔵書11、予約待ち0
という物件に遭遇しまして。

まあね。そうだろうね。
と、リストを50位まで調べていきましたん。

市内の小中高校図書室データも
同じシステム下で管理されているので
単純に蔵書数だけを見ていくと
「え?」となるような
蔵書数が表示されたりして、
無駄に驚かされたりもしましたが
複本の数で目立ったタイトルは

rank 書名 著者名 蔵書数 予約件数
5 舟を編む 三浦しをん 11 0
18 ソロモンの偽証第2部 宮部みゆき 7 1
19 真夏の方程式 東野圭吾 7 1
40 64 横山秀夫 6 0
41 スタンフォードの自分を変える教室 ケリー・マクゴニガル 5 0
42 ソロモンの偽証 第3部 宮部みゆき 7 0
43 ソロモンの偽証 第1部 宮部みゆき 7 1

こんな感じ。

ついでに
同等人口規模の市で比較してみました。

ですな。

2013年度複本対象大賞の「舟を編む」、
実売は50万部超だというのですが
複本がなければ100万部売れてたのに
……とは思えないので
(せいぜい50数万部じゃないですかね)
複本は適当な冊数である限りは
許容されるのではないか、
と個人的には思っています。

が、と言いつつも
この、佐賀県武雄市
特定時期に購入されたタイトルの
7冊以上の複本態勢は
市立図書館の利用者実態に即した数字というより
「とりあえず平積みで展開するか」的な数字に見える、
わけで

宮城県多賀城市、CCCとの連携で2015年夏に新・市立図書館オープンへ - ITmedia eBook USER

上記の、今朝流れてきたニュースについて申し上げれば

武雄と「同じ要領で」
適正冊数よりも多い複本が配架される、という事態が
多賀城で繰り返されるべきではない
というのが私見。でござる。

■その他メモ

いろいろ調べていて
ふーん。って思ったこと。

図書館の指定管理者
TRC156、ヴォアックス28、紀伊国屋13、サントリーパブリシティサービス4、CCC1

総務省調査(2012年4月)によると
・指定管理者制度を導入している図書館は317件
・更新期限が過ぎたあと、指定管理者が変更となった事例は18館
・利用料金制を採用している図書館は53(16.7%)存在

以上はここに書いてありました

○なお、図書館の利用料金制なんて
利用者からすると青天のヘキレキでございますが
「稼ぐ」側のマインドにあるのは
・資料予約は有料
・宅配は有料
・延滞料を徴収
みたいなことらしいです。
おお、延滞料。

それ、なんてTSXXXYA。